麻酔科に関連する主な資格は三つあり、麻酔科認定医と麻酔科専門医、そして麻酔科指導医があります。麻酔科認定医は、日本麻酔科学会の学会員となり、学会が実施する試験に合格すれば取ることができます。認定医になると、麻酔に関する確かな知識と臨床における技術を持っているということが認められますので、麻酔科の医師として公に認識され、仕事を見つけるのも楽になります。
認定医の上にあるのが麻酔科専門医です。この専門医の資格を取るためには、認定医の資格を取った後に最低二年間臨床で麻酔の仕事に携わっていること、そして麻酔科認定病院で最低1年間麻酔科の業務を行っていることが条件となります。この条件を満たすと、受検資格が得られ、筆記試験や口述テスト、実技審査を受けることができるようになります。この試験に合格すると、晴れて専門医として働くことができます。専門医の資格を持っていると、麻酔科の分野で確かな実務経験と能力を持っていることが明らかになりますので、どこの病院に行っても高い評価を受けることができます。場合によっては、専門医の資格を持っていることを応募条件にしている病院もありますので、より待遇の良い求人を見つけることもできるでしょう。
そして、麻酔科関連の資格で一番高いのは、麻酔科指導医です。指導医の資格を取るためには、専門医を資格を取って少なくても4年以上続けて麻酔科の業務を行っていることが求められます。そして、1年以上は指導医の下で業務を行い、麻酔に関する高度な研修を受けることも必須条件となります。これらの条件を満たすと、学会による審査を受けることができるようになり、審査にパスすると指導医として働くことができます。
指導医の資格を持っていると、専門医の指導などができるようになりますので、大学病院を始めとする教育に力を入れる医療機関で、好条件で働けるようになります。若手の育成に携わることは、大きなやりがいをもたらしますし、経験に基づく自分のスキルを臨床現場でも、いかんなく発揮できるようになります。指導医の資格を取るまでにはある程度の年月がかかりますが、努力に応じた高い評価によって報われますので、目標に向かって頑張ることができるでしょう。麻酔科の役割はとても重要で、どの病院でも資格を持つ医師を求めています。キャリアアップに欠かせない資格の一つですので、資格取得を常に意識して仕事に励むことができます。