医師の不当な労働条件や、自分のライフスタイルをより重視したいといった医師の方が増加している昨今、拘束が数十時間にも及んだり、医師不足により抱える業務が膨大な量に及んだりといった労働条件で勤務している現状に疑問を持つことも当然と言えます。ましてや、結婚・出産など家庭の状況により時間が欲しいといった場合もあるはずです。そうした諸事情から、週4日程度の勤務にとどめたいという希望を持つ方もいらっしゃると思われます。それは決して不可能な話ではありません。
勤務形態やその病院の実態などにもよりますが、大型の総合病院・大学病院に勤務している勤務医の場合、1ヶ月に1日も休みを取れなかった医師は全体の約4割にも上ると言われています。また、休みを取れても月に3~4日といった惨状なのです。
さらに勤務医の場合は、その病院の規模に対する医師の数が圧倒的に少ないために拘束時間が長く、通常の日勤業務の後にそのまま当直勤務に移行して当直明けにもまだ勤務、といったパターンも珍しくありません。このような働き方で、医師の方たちの心身の健康が保たれるのは困難ということは想像に難くないでしょう。
ただでさえこういった過酷な環境に置かれているのに、そこから自分や家族の時間を捻出しようとは到底無理な話です。とはいえ、このような状況に置かれている方の中には、同僚や上司も同じ状況で疲労しているのに自分だけわがままは言えないと苦しんでいる医師の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、環境に引きずられて医師である自分が潰れてしまっては本末転倒です。しかも、自分の心身だけでなく家族との生活にも影響が出てしまうことは極力避けたいところでしょう。ここで思い切って環境を変えてみるのは非常に有効であるはずです。
昨今、医師求人情報誌やサイトに掲載されている病院の求人は、そういった労働環境を重視する方には嬉しい週4日勤務okという表記をしているところが増えています。診療科目や病院の形態によっても違ってはきますが、やはり待遇を少しでも厚くして優秀な医師を迎え入れたいとしている病院は少なくないのです。せっかく医師として高いスキルを持っているのに、条件に合う職場がない・過酷な職場で心身のバランスを崩してしまって働けないなどの状況に陥り、医師という職業自体を廃業してしまうのは、医療を受ける側だけではなく業界内でも充分もったいない話です。自分の条件に合う病院を充分吟味し、医師転職サイトなどの力も借りて、医師も健やかに業務に当たれるようになってほしいものです。
例えばですが週4日勤務okの医師求人がある医師転職サイトとしてはエムスリーキャリアエージェントやリクルートドクターズキャリアなどがあります。大手の医師転職サイトゆえにいろんな条件検索が可能です。
上記で勤務日数の話をしましたが、ワークライフバランスという意味では、実は仕事を持ち日々通勤している方であれば、その勤務先が交通アクセス良好であることは重要なポイントの1つですね。電車で通うにしても、勤務先の最寄り駅から近いと通勤時間は大幅に短縮でき、労力もあまりかからないでしょう。転職を考えるなら、そういった立地のよさ・便利さは誰しも考慮に入れ、勤務先に選ぶ条件の1つとしていると思われます。病院に勤務されている方も例にもれないはずです。しかし病院となると、こと大型の総合病院などであれば郊外の広い敷地に建設されている可能性もあり、そういった場所であれば車での通勤圏内で考慮していくことになるでしょう。いずれにせよ、通勤に時間と労力がかかってしまうと時間のロスになるだけではなく、出勤しただけで疲れてしまうといったことにもなりかねません。
ましてや当直勤務や残業で帰りが遅くなることも少なくない医師という職業柄、特に女性の方は夜もすっかり更けた夜中に帰路に着く場合が多いでしょうから、そこで徒歩の時間を多く取るのはためらわれますね。また、電車通勤であれば終電の時刻などもかかわってきます。医師の方が新たに勤務先を選ぶ場合、通勤に便利か、最寄駅からどれぐらいの距離かといったことは求人情報でチェックしておきたいものです。
通勤時間は、医師にとってもう1つ重要な意味を持つこともあります。救急センターが設けられているところにお勤めの方や医師数が少ない診療科目の医師の方の場合、勤務外でも緊急時には病院から受けたオンコールに従って、速やかに出勤しなければならないことがままあるためです。オンコールを受けて迅速に病院に向かったとしても、そこで時間がかかってしまっては場合によっては手遅れになることも充分考えられますので、勤務先はなるべく自宅から近い・車や電車で素早く勤務先に直行できるというのは安心できる要素でもあります。病院によっては近隣に社員寮を設けているところもありますが、医師の方の中には勤務先が遠い・雪などの天候不良で交通が立ち行かなくなるといったところにあるため、緊急時や夜間出勤のために自宅とは別に勤務先の近くにアパートを借りているという方もいらっしゃいます。
過酷な勤務状況のため、病院と自宅は適度に距離があって退勤時にクールダウンできる時間が欲しいという方もいらっしゃるようですが、ある調査では大半の医師は通勤に30分もかからないと回答しています。業務上近距離や好立地の方が都合がいい、また自分自身の余裕のためにも、通勤便利・好立地と掲げられている場所を選びたいものです。勤務日数だけでなく通勤時間も見ながら医師の求人をぜひ比較検討してみてください。
さらに追記です。勤務日数と通勤時間に加えてチェックしてほしいのは「有給休暇」です。昨今の医師不足などが原因で多忙を極めている医師の方々。勤務医の方の場合、度重なる残業、当直明けから連続して日勤業務などなど、ただえさえ拘束時間が長丁場に渡ることが多く見られるこの職種において、休みの取りにくさも同様にある問題です。その医師が身を置く病院の勤務体制や病院ごとの条件の違い、また勤務医か開業医かなどの条件によって休日の取り方は様々ですので、一概に大学病院だからどう、町の開業医だからどうといったことは言えませんが、一般的には特に勤務医の労働条件は過酷といえます。 その理由としては、医師数不足もありますが、大きいのは「上司や同僚は有給なんて取るべきではないという考えのもと業務に当たっていることにより、雰囲気的に有給が取りにくい」という、何とも日本人らしい思考からくるものも非常に多くなっています。つまり、職場において「有給が取りにくい」と思っている方と「有給を取っている場合ではない」と思っている方がほぼ全体を占めてしまう結果、有給という制度・ひいては言葉自体が意識下にないという職場環境が容易に出来上がってしまっているのです。 ですので転職活動の時は勤務日数と通勤時間に加えて有給休暇もチェックして欲しいのです。確かに求人件数は多くないかもしれませんが、最近の求人情報でも有給休暇okを打ち出している病院は増えつつあります。有給休暇を取ることは労働者の権利です。それは、命を預かり予断を許さない事象もある医師という職業であろうと変わりません。そういった条件の求人を探すことは決して悪ではありません。